2011年9月30日金曜日

18 ターゲティングとは

細分化した市場の中から、自社にふさわしい市場を決めること。

セグメンテーションした市場の中から、ターゲットとなる市場を選ぶ事をターゲティングと呼ぶ。これによって選択された市場を標的市場と呼ぶ。

標的市場選定にあたり次の点を重視したい。

1 そのセグメントに魅力があること(外部要因)
・規模
・成長性
・セグメントの構造的な魅力
・安定性
・規模の経済
・習熟曲線
・企業の目標と経営資源

2 そのセグメントで成功する能力を企業が持っている事(内部要因)
・企業の能力
・相対的市場占有率
・価格競争力
・サービスプログラムの品質
・顧客と市場についての知識
・マーケティング活動の有効性
・地理
・収益性


市場の魅力に関するチェックポイントとしては以下のとおり。
セグメントの規模。またセグメントの成長性にも着目。参入障壁の有無、高低に関する「構造的な魅力」という部分も重視。
市場の安定性や、大量に提供することでコストが下がる、規模の経済の可能性。また慣れれば慣れるほどにコストが低下する習熟曲線効果なども重視。

また成功できるかどうかも検討すべき項目。

 相対的市場占有率が高ければ有利。価格競争力の高低も大事。セグメントに対する知識の深さも重要。

これらを総合して他社よりも有利な市場へ参入すべき。



2011年9月29日木曜日

17 セグメンテーションとは?

 同じような行動を取るグループを、集団化すること。市場細分化とも言われる。
 セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング(STP)について。

 市場が単一であると見做せた時代はマス・マーケティングが有効だった。
 現在は、共通のニーズを持つ集団に市場を細分化して、そこに製品を供給したほうが効率が高くなる。
 市場を細分化するという事をセグメンテーションと呼ぶ。細分化された市場はセグメントと呼ばれる。

セグメンテーションの際の基準、そのものが大事になる。

1 人口統計的変数(デモグラフィクス)
 年齢、世帯規模、家族のライフサイクル、所得、職業

2 地理的変数
 地域、都市、人口密度etc

3 心理的変数(サイコグラフィクス)
 ライフスタイル、パーソナリティ

4 行動上の変数
 利用頻度、利益、ユーザーの状態、利用割合、利用状況、ロイヤリティ、購買認知段階

5 製品・サービスの属性変数
 製品・サービスの品質、性能、サイズ、デザイン

近年は、行動上の変数が重視されている。企業やブランドに対する顧客ロイヤリティの度合いで顧客を細分化するロイヤリティ・セグメンテーションもそのひとつ。
 サイコグラフィクス変数は、スタンフォード調査研究所(SRI)制作のVALSが有名。
 VALSは対象者を価値観・ライフスライルでセグメンテーション。
 Japan-VALSもある。これは日本の消費者を3つのモチベーションで区分して、10のグループに分割。

Japan-VALS
「イノベーター」
 4%の革新創造派「新しいものに積極的な高感度消費リーダー」
初期採用者
 4%の伝統尊重派「日本の伝統文化を守り、継承する層」
 5%の社会達成派「キャリア・社会指向の強い良識層」
 6%の自己顕示派「レジャー・ファッション高感度享楽層」

初期多数派
 8%の伝統派アダプター「伝統尊重派に追従する層」
 14%の社会派アダプター「社会達成派に追従する層」
 12%の自己顕示派アダプター「自己顕示派に追従する層」

後期多数派
 22%の同調派「社会潮流に後から参加する層」
 17%の雷同派「社会の流れに鈍感な保守層」
 9%のつましい生活派「社会の流れに低関心な層」




2011年9月28日水曜日

16 S.W.O.T(強み、弱み、機会、驚異)

13〜15では、マクロ環境とミクロ環境の分析について紹介。
S(Strengths・強み)、W(Weaknesses・弱み)、O(Opportunities・機会)、T(Threats・脅威)の事。
強み、弱みは内部環境について。
機会、脅威はマクロ、ミクロ双方の環境を含めた外部環境について。

外部環境については、13のマクロ環境を分析する6つの要因や、イノベーション普及理論、キャズム、ファイブ・フォースを念頭に、3つの時代の変化を想定。
これらには機会はないが、脅威が潜んでいないかを検討。
内部環境の分析にはバリュー・チェーンを活用。
 これらを他社と比較して強みと弱さを客観視する。

   強み、   弱さ、
機会「事業機会」「   」
脅威「   」 「潜在的リスク」

このマトリックスで、1、自社の強みを活かせるのはどこか?2、自社の弱みを直撃するリスクはどこか。
成果を上げられるのは強みを活かした場合。弱みでは無理。弱みの克服ではなく、自社の強みに着目して、機会を探すべき。
これがSWOTによる戦略の立案の方法論。
「自社の強みを活かせる機会を探し、弱みを打ち消して脅威に備える」





2011年9月27日火曜日

15 キャズムとは?

イノベーション普及理論を採用する場合、ジェフリー・ムーアが提唱する「キャズム(裂け目)」を知っているといい。これはイノベーションが普及するための障害である。
少数派にとってイノベーションは便利なものだが、多数派にとってはそうであるとは限らない。そこで、イノベーションを普及させるためにはそれが使いやすこと、実利に直結することをユーザーに納得させる必要がある。
イノベーションを普及させるにはキャズムを飛び越えるマーケティング、すなわち多数派を納得させる努力が必要である。
キャズムは、初期採用者から初期多数派への移行期に発生する大きな裂け目である。これはあらゆる製品に対して必要。

キャズムを乗り越えるには「ニッチ市場を狙う」→「ホール・プロダクトの準備」→「クチコミ」→「ニッチ市場No1から周辺市場攻略を目指す」