2012年11月30日金曜日

49 社会的責任マーケティング

49 社会的責任マーケティング

「企業が社会的コーズ(大義、主張)を明らかにし、それを実現するために社会的な取り組みを行うこと」

社会的な取り組みとは「社会的コーズへの取り組みを支援し、社会的責任を果たすために企業が行う主要活動」のこと。

社会的コーズとは大義や主張→08 社会をもっと良くする、もっと住みやすくするためのその企業の主張が社会的コーズである。

この社会的コーズに従い、社会的な取り組みを行い、利益も得るのが社会的責任マーケティングである。それは次の6つの種類があるとコトラー

1 コーズ・プロモーション
2 コーズ・リレーテッド・マーケティング
3 ソーシャル・マーケティング
4 コーポレート・フィランソロピー
5 地域ボランティア
6 社会的責任に基づく事業の実践 社会的責任マーケティングでは公的組織が対象とする社会的コーズと利益は両立するのかという問題がある。コトラーは可能だという。

→08でも論じたとおり、社会的責任を果たす企業は、高い評価を得られる。

エシカル消費という言葉があり、これは少々高いものでも社会貢献型の製品を好むという消費スタイルのことを指す。

マクドナルドでは難病の子供とその家族を支援する「ドナルド・マクドナルド・ハウス」を推進中である。 コトラー「社会的コーズは、成長や差別化を生み出す機会」だと述べている。つまり、社会的責任マーケティングは慈善事業ではなく、成長と差別化を生み出す源泉であるのだ。

1)社会的主張に対し、意識と関心を高める事を指す。例えば地球温暖化の抑制に対する意識を高める企業活動など
2)製品の売上を通じてなされる社会貢献を指す。地球温暖化防止の場合でも売上の何%かを該当する活動に寄付する場合などはこちらに分類
3)行動改革キャンペーンの支援に焦点を当てたもの。地球温暖化防止のため、CO2を抑制しようと促す活動に焦点を当てた場合はこちら
4)最も伝統的な取り組みで、コーズに対する直接的な寄付活動
5)従業員が地域ボランティアに時間を割くことを企業が支援すること
6)コーズを支援するための自主的な事業活動と投資を指す

2012年11月29日木曜日

48 ホリスティック・マーケティング

48 ホリスティック・マーケティング

「リレーションシップ・マーケティング、統合型マーケティング、インターナル・マーケティング、社会的責任マーケティングを統一的に推進するもの」

コトラー「マーケティングのプログラム、プロセス、活動それぞれの幅と相互依存を認識した上で、マーケティングのプログラム、プロセス、活動を開発し設計して実行すること」をホリスティック・マーケティングと定義した。

その上でホリスティック・マーケティングを構成する要素を4つに分類

1 リレーションシップ・マーケティング
2 統合型マーケティング
3 インターナル・マーケティング
4 社会的責任マーケティング
1)は→39で説明した。
2)は→33で説明
3)は→27で説明。
最後の4)を理解することで、ホリスティック・マーケティングは完結する。

そもそも社会的責任(CSR)は企業が地域社会をより良くするために深く関与する事である。

一般的に企業の社会的責任とマーケティングとは別物と考えられてきたが、マーケティング3.0の3iモデル→11では、企業は人の精神を揺さぶるマーケティングが不可欠とされており、これを具体化するのが社会的責任マーケティングである。

2012年11月28日水曜日

パート5 社会的責任マーケティングの時代

パート5 社会的責任マーケティングの時代

「マーケティング3.0に必須の3iモデルでは、ブランド・インテグリティ(約束を守る態度、信頼性)が欠かせなかった。その実現形態として、社会的責任マーケティングというものが重視される。最終節はマーケティング3.0を推進する上でのカギとなる社会的責任マーケティングについて見てみたい」


コラム4 購買行動プロセス

コラム4
購買行動プロセス

消費者の購買行動をモデル化したものとしてAIDMAというものがある。
これは
1 Attention(注意)
2 Interest(興味)
3 Desire(欲求)
4 Memory(記憶)
5 Action(行動) の頭文字を取ったもの。

またここからMemoryを省いたAIDAというモデルもある。
これは企業は、広告活動によって注意や興味を引き起こし、欲求を刺激して商品を記憶させる。その記憶が持続する間に、さらに注意や興味を引き起こし欲求を増大化させて購買行動に向かわせるというもの。

しかしインターネットが普及した結果、AIDMAに代わり、→44で説明したAISASが提唱されるようになる。
AIDMAもAISASも5ステップで消費行動を捉えるが、冒頭の2ステップ以降の3つのステップが異なるのは説明のとおり。 そしてこれは→44のサーチ・エコノミーと深く関わっている。

なお、コトラーは購買決定プロセスの5段階モデルとして
1 問題認識、
2 情報検索、
3 代替製品の評価、
4 購買決定、 
5 購買後の行動、を挙げている。
AISASでは、AIが1、Sが2と3、Aが4で、Sが5に対応している。