2012年3月30日金曜日

37 セールス・プロモーションとは

37 セールス・プロモーションとは
「広告・PR・人的販売に含まれない、その他の販売促進のための活動をセールス・プロモーション(SP)という」

統合型マーケティング・コミュニケーションの主たるコミュニケーション手法は6つある(→33)
この中で販売促進、すなわちセールス・プロモーション(SP)は以下のような者が含まれている。
電車内の中吊りやポスターを指す交通広告、街頭に掲示される屋外広告。また折り込みチラシや電話帳の広告、ダイレクト・メール、フリーペーパー、POP広告なども挙げられる。

キャンペーンや懸賞などで訴求するインセンティブもSPの常套手段。
SPは有効だが、連発させすぎると、ブランド・イメージを傷つけてしまう可能性があるという事を知っておく。


2012年3月29日木曜日

36 セールス・フォース

36 セールス・フォース
「販売部隊のことで、組織的販売も不可欠」

人的販売では、セールスパーソンの育成が必要で効率的なセールス・フォース(販売部隊)の構築が不可欠。

セールスパーソンの訓練の中でコンピテンシー・マネージメントは有力な方法の一つ。
コンピテンシーとは、その人の特性をさす。適正を見極めて、マネージメントしなければならない。

セールス・レップ(営業職)では「インパクトと影響力」「達成重視」などが重視される

優秀なセールスパーソンほど信用を築くべく努力しており、服装や言葉遣い、雰囲気などに気を使っている。

「達成重視」とは、チャレンジングでありつつ達成可能な目標設定ができる能力を示す。目標を達成するための時間管理などに優れているという特徴がある。

個々のスキルアップはもちろん、集団としての組織的販売(チーム・セリング)の実行も重要である。
この際、ハーマンモデルというものを知っておきたい。これは脳内がどのような思考活動で支配されるのかをモデル化したもの。
これは脳内の思考活動を
1 理性的な自分
2 防衛的な自分
3 感覚的な自分
4 実験的な自分
の4つに分けるというもの。大抵の人は偏りが見られる。そこで成果をあげるために、編成したチームに、能力の偏りを補完し合える人材を配するといい。

ハーマンモデル

大脳→理性的な自分(論理的、分析的、事実重視、数量的)→左脳→防衛的な自分(統一だった、順序だった、計画的な、詳細な)→辺縁系→感覚的な自分(対人的、感覚的、審美的、感情的)→右脳→実験的な自分(全体的、直感的、統合的、合成的)



2012年3月28日水曜日

35 パブリック・リレーションズとは

35 パブリック・リレーションズとは
「いわゆるPR活動。利害関係者と良好な関係を築きつつ、好意的な評判を醸成し、企業イメージを高める活動を指す」

パブリック・リレーションズとはいわゆる広報活動の事で、顧客、従業員、株主、マスコミ、といった関係者との関係を良好に維持する事を指す

PRの具体的活動は、プレス対策が一般的。
プレスリリースは、プレスとの継続的な関係維持のために欠かせない。プレス対策が成功すれば、パブリシティとしてテレビや新聞などに無料で自社情報が掲載される可能性が高くなる。そのため、パブリシティのメリットは大きい。

ポジショニング(→19)という方法論を考えれば、広告よりもPRに軸足を移すべきであるという考えが広がるのは必然的な流れであろう。

ライズ「PRには信頼性があるが、広告にはない(中略)PRはマーケティング活動を先導し、方向づけている」
なぜならば、プレスリリースはマスメディアの目を通り価値を評価されており、情報の信ぴょう性が高まるからである。
ネットでクチコミが評価されるのと同様の理由である。

情報が氾濫する中、メディアによる情報とクチコミとが重要な情報源となる。

PRの種類

出版(Publication)広報誌、年次報告書など
イベント(Event)展示会、記者会見、スポーツイベントなど
ニュース(News)企業活動、製品に関するニュース
地域共同体事業(Community Activity)地域事業に対する貢献
アイデンティティ・メディア(Identity Media)名刺、レターヘッド、FAX用紙など
ロビー活動(Lobbying)政治への働きかけ
社会的責任業務(Social Responsibility)社会的責任の遂行

2012年3月27日火曜日

34 広告戦略とは

34 広告戦略とは
「企業が自らの名前を明示してアイディアやサービス、商品などを有料で告知すること」を広告という

広告活動のプロセスは以下のとおり。

1 広告目的を明確にする
2 メッセージを明確にする
3 メッセージを表現する(クリエイティブ)
4 メディアを選択する(メディア・ミックス)
5 広告を実行し実行した広告を評価する

1)には3つの種類がある。
→1「認知のための広告」
→2「他ブランドの比較によって自社製品の優位性を説得するための広告」
→3「繰り返し指名してもらうための想起のための広告」

1)の目的が明確になると、2)の方向性も決まってくる。説得したいのに、製品名だけを連呼しても仕方ない。

メッセージが決まれば、3)の段階。すなわち広告に落とし込む作業になる。これをクリエイティブと呼ぶ。

4)のメディアの選択は、ターゲットに対して効率的にアクセスできるものを選ばなければならない。メディアを選び、組み合わせる場合、メディア・ミックスと呼ばれる。
マスコミ4媒体に加え、インターネットやプロモーション・メディアなどが挙げられる。

最近では新媒体を考案するメディア・プランニングや、既存の媒体で商品に応じた利用方法を模索するメディア・クリエイティブが重視されてきている。
これらの結果として広告活動を実行し、それを評価する。



2012年3月26日月曜日

33 統合型マーケティング・コミュニケーション

33 統合型マーケティング・コミュニケーション
「多様なチャンネルで顧客とコミュニケーションを取る企業が、それらを適切に組み合わせてコミュニケーションの効果を最大化するのが統合型マーケティング・コミュニケーションである」

4Pの最後の要素であるプロモーションは、4Cではコミュニケーションに位置する(→22)

近年、企業と顧客のコミュニケーションには統合型マーケティング・コミュニケーション(IMC)が不可欠であると考えられている。

IMCの対象となるコミュニケーション手法の柱としては次の6つがある

1 広告
2 パブリック・リレーションズ(PR)
3 人的販売
4 販売促進(SP/セールス・プロモーション)
5 イベントと経験
6 ダイレクト・マーケティング

IMCは、これら6つの手法に限らず、あらゆるコミュニケーション活動に注意を払っている。名刺や便箋、FAXの送り状に到るまで、全てを統一的イメージでまとめ、コントロールする。IMCでは、これら企業と顧客との接点をタッチポイントやコンタクトポイントと呼ぶ。
そしてあらゆるタッチポイントを、統一されたデザインとメッセージにすることで、マーケティング・コミュニケーション・ミックスする事を狙う。



パート4 マーケティング・コミュニケーションの展開

パート4
マーケティング・コミュニケーションの展開
「4Pの最後に位置するプロモーションは、製品を顧客に伝達するあらゆるコミュニケーション活動である。ここで重要なのが、イメージやメッセージを統一させるという点。最新技術を駆使したマーケティングも不可欠である」


2012年3月9日金曜日

コラム 3 垂直的マーケティング・システム

コラム 3 垂直的マーケティング・システム

サプライ・チェーンの統合。
→32のサプライ・チェーンとは複数の企業の連携が不可欠。そうした企業の連携がサプライ・チェーン・マネージメントの中核である。
流通チャンネルの効率化のため、サプライ・チェーンの川上もしくは、川下に統合する動きがある。それが垂直的マーケティング・システム(VMS)である。
VMSでは、流通チャンネルの有力企業が影響力を発揮することで、統合されたシステムとして機能する。

1 企業型VMS
「一つの資本が全流通チャンネルを所有。アパレルに多い」
2 管理型VMS
「影響力の強いメンバーが他のメンバーをコントロール。コンビニに多い」
3 契約型VMS
「独立したメンバーが契約で結びつく。フランチャイズ・チェーンに多い」


2012年3月8日木曜日

32 サプライ・チェーン

32 サプライ・チェーン
「製品を供給するまでの一連の流れ。これを最適化する手法をサプライ・チェーン・マネージメントと呼ぶ」

商品や商品に関わる情報、資金などを流通させるものが流通チャンネルである。またこれらが相互依存する集団をマーケティング・チャンネルとも呼ぶ。

製品を組み立てるためには、原材料や部品が必要となる。マーケティング・チャンネルに対し、原材料までを含めたより長い経路のことを、サプライ・チェーンと呼ぶ。

顧客がほしい時に製品を供給できる一方、在庫を減らしたいというのが企業の本質的な考え方。
つまり顧客価値の最大化と、経営効率の最大化を同時に実現させるために、質の高いサプライ・チェーンの構築が必要となる。
そのため、サプライ・チェーン・マネージメント(SCM)が注目され始める。

→13で触れたバリュー・チェーンに関しては、価値が企業の内部での連鎖で構築されていくという事を示したモデルだった。これが企業内でとじているのに対しサプライ・チェーンは、原材料の供給先から製造元、販売店までを網羅している。

サプライ・チェーンはグローバル化しており、発注は国際的な流れを経て3PL(Third Party Logistics)によって配送される。



2012年3月7日水曜日

31 製品ミックスによる価格戦略とは

31 製品ミックスによる価格戦略とは
「ある製品がミックスされた企業の製品の一部を占める場合、その製品群の利益を最大化すべくその製品の価格を戦略的に設定する手法」

製品ミックスとは製品ラインの組み合わせのこと。
製品ラインとは、同一のカテゴリーに属する製品の集合のこと。この製品ラインを構成する個々の製品を製品アイテムとする。

製品ラインと製品アイテムの幅と奥行によって製品ミックスが決まる。

1 製品ラインによる価格設定
初級者から上級者向けにいくつかの製品がラインナップされている場合、段階的に価格を設定する方法

2 関連製品価格設定
製品に関する製品、つまりオプションやアクセサリの価格設定。主製品を簡素化してオプションで機能を付加していける

3 バンドル価格設定
主製品と関連製品とを抱き合わせさせて売る手法。

4 キャプティブ製品の価格設定
 キャプティブ製品とは、主製品に対する消耗品の事。よく知られているものでは、プリンターとインクやコピー機とトナーというものがある。また携帯電話に対する通話料の関係もそう。